シクロデキストリンとは
シクロデキストリン(Cyclodextrin,CD)は、別名を「環状オリゴ糖」という、天然由来(トウモロコシ)のデンプンから製造され、グルコース分子が環状に連なったオリゴ糖のことです。サイズは約0.5〜1.0ナノという分子レベルで、底のないカップのような3次元構造をしており、環を構成するグルコースの数が6つのものが「α」、7つのものが「β」、8つのものが「γ」といい、最大の特徴は、様々な分子をその内部に「包接(ほうせつ)」しては「徐放」するという特殊な機能があり、それぞれの用途に合わせて使い分けます。
●シクロデキストリンのカップ状の分子は、内側が疎水性、外側が親水性とユニークな物性があります。様々な分子(ゲスト)を包み込んだり(包接)放出する(徐放)ことができるため、天然の「ナノカプセル」とも呼ばれます。
CDは過酷な条件下でも高い安定性
開発者なら何か創ってみたくなる・・・ラクラク加工・製造
「使いやすさ」で一般加工食品〜健康食品に至るまで様々な応用が可能
シクロデキストリン(CD)は無味無臭、溶かして無色。だから主成分の色、味、香りは邪魔しませんので、容易に製品に使用することができます。さらにCDの包接機能を応用した製品の開発、品質向上が期待できます。
例
・CDは常温保存(4年以上)でも安定
・酢酸、炭酸飲料中も加工変化は無く長期安定
・強酸中の加熱処理した際も変色無く安定
・酸性、塩基性中の褐色変化を抑える
《日本国内の規格・規制》
化審法 | 食添 | 外原規 | 薬添規 | CAS No. | |
α-CD | 8-101 | 許可済 | 42-110559 | 110559 | 10016-20-3 |
β-CD | 8-101 | 許可済 | 42-108572 | 108572 | 7585-39-9 |
γ-CD | 8-101 | 許可済 | 42-520531 | 17465-86-0 |
世界が認める安全性
厳しい欧米の基準においても、食品素材として高い安全性が認められています
《食品への利用に関する安全性評価》
JECFA(FAO/WHO) ✳︎1 | USA ✳︎2 | EU ✳︎3 | オーストラリア ✳︎3 | 日本 ✳︎4 | |
α-CD | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
β-CD | △ | △ | △ | ✖️ | ◯ |
γ-CD | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
✳︎2 GRAS List(Generally Recognized As Safe:一般に安全と認められる)FDA(アメリカ食品医薬品局)が食品に有害な成分が含まれていないことを証明した食品リスト(○=広範囲用途 △=香料キャリアーに限定)
✳︎3 Novel Food:新規食品規制。1997年からヨーロッパでスタートした新規の食品素材に対する規制で、安全性の指針。(○=認可済 △=使用量制限付き認可 ✖️=未認可)
✳︎4 ○=使用可